平成18年度 税制改正要望書
提言及び基本事項


<目次>

 
税制改革に関する提言

 総 論  行財政・税制改革に関する基本方針

 各 論  当面の改正事項

   第一 法人税制について

   第二 個人所得税制について

   第三 事業承継税制について

   第四 消費税制について

   第五 地方税制について

   第六 環境税制について

 大会スローガン




税制改革に関する提言


 わが国経済は、懸命な企業努力によって、最近ようやく明るい兆しが見えてきたが、大部分の中小企業は、依然として経営健全化のために厳しい努力を強いられている。しかるに、国および地方自治体は、危機的な財政を抱えながら更に赤字公債を増額させ、未だ行財政改革に道標を立てていない。
 このような状況では、わが国経済の再生は覚束なく、企業の活力復活にも支障を来たし、国民が安心して生活できる社会基盤も崩壊することになる。いまこそ、国および地方自治体は、「聖域なき行政改革」をスローガンに終らせることなく断行し、社会保障制度を再構築し、国民の不安を払拭すべきである。
 いうまでもなく、わが国の経済活性化のために税制が果たしている役割は、極めて大きい。国は、これらの税制改革に当たっては、企業経営の実態を正しく認識し、景気回復にも配慮し、めりはりのある望ましい税制の構築を目指し、努力した者が報われ、真面目な納税者が尊敬されるように努めるべきである。
 具体的には、法人税負担を軽減し、事業承継税制を確立し、所得税の機能を重視し、地方税の合理化を図り、消費税問題の環境を整備すべきである。以上、納税意識の高揚に努めてきた法人会は、税のオピニオンリーダーを自負し、全国115万会員の総意として、提言する。

 平成17年9月5日
財団法人 全国法人会総連合
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総 論 行財政・税制改革に関する基本方針

 わが国の経済は、景気が依然として不透明であり、国・地方の財政も一段と悪化する中で、行財政・税制改革が避けられない重要課題となっている。しかも、かつて経験したことのない人口の絶対数が減少するという少子・高齢化社会が目前に迫っており、かつ、国際化・情報化が一層激しくなっているので、それらに対処する効果的かつ効率的な諸改革が急務となっている。
 このような基本的認識の下に、以下に指摘する諸改革の断行を提言する。

第一 日本経済を蘇生させる条件
 わが国の経済は、企業の血の滲むような合理化努力の甲斐あって、ようやく明るい兆しが見えてきたものの、国民の経済社会の先行きに対する不透明感、閉塞感は未だ払拭されていない。
 国民が真に求めているのは、スローガンだけの改革ではなく、将来不安を解消するための効果的な施策であり、活力ある経済社会の実現である。そのためには、実のある改革を実行することである。
 すなわち、「聖域なき行政改革」は、言葉のみではなく、合理化の対象を明確にして、行政コストの削減を具体的に明示すべきである。税制改革については、国民に負担増を求めるところと軽減できるところを明確にしてめりはりをつけるとともに、中小企業の存在の重要性にも配慮すべきである。
 社会保障制度については、負担と給付のバランスに配慮した将来構想(青写真)を明確にして、国民に安心感を与えることこそ急務である。

第二 徹底した行財政改革による財政再建
 国・地方の長期債務残高は、既に800兆円に近く、わが国の財政破綻が現実なものになりつつある。しかも、債務残高は、今なお増え続けており、それを削減するための効果的措置が採用できない状況にある。そのため、国民は、国や地方自治体に対して信頼を失いつつあり、将来不安を掻き立てられている。
 このような現状を放置して置くことは、国の存亡にかかわることであるので、このような流れを断固として断ち切る必要がある。そこで、法人会は、国と地方自治体に対し、次のような行財政改革に直ちに着手して歳出削減目標を明確にし、財政再建の実を挙げるよう強く要求するものである。

 1.財政再建目標の明示
 財政に対する国民の信頼を回復するために、国民負担の上限と財政再建の目標年次を設定し、聖域なき歳出削減を実行する。その際、当面の目標として、例えば、2010年初頭までに国債の新規発行額を同年度の国債費以下にとどめる、いわゆるプライマリー・バランスの回復を明示する。そして、この目標を達成するために、あらゆる措置を確実に実行する。

 2.徹底した行政改革と公務員定員削減等
 政府は、2005年度から5年間で10%以上の公務員定員削減を行うこととし、人事院も、国家公務員の給与(基本給)を一律5%程度引き下げるよう勧告した。このような方針が実現され、さらに前進して行くためには、国と地方自治体の役割を再検討した上で、両者を通じた徹底した行政改革が不可欠である。とかく、行政改革は、「総論賛成、各論反対」に終始し勝ちであるが、今やそのような議論を弄ぶ時間はないはずである。国民全体の視点に立って、行政組織の統合・廃止を積極的に行い、国と地方自治体の公務員をそれぞれの役割に応じて効率的に配属し、総人件費の削減に努めるべきである。

 3.歳出の全面的見直しと削減
 歳出削減の必要性は、公務員改革にとどまらない。従来、とかく聖域扱いされてきた社会保障関係費、政府開発援助、教育行政費、公共事業費、農業保護費、地方財政対策費などについても、改革のメスを入れ、それらの支出の効果を見直し、歳出全般について例外なく歳出削減あるいは抑制策をとるべきである。
 なお、「官から民へ」というスローガンの下に、独立行政法人が増加しているが、安易な「衣替え」にとどまらず、それらの法人化が歳出削減にどれだけ貢献するかを明確にすべきである。

第三 社会保障制度の抜本的改革
 1.年金制度
 国民の将来不安の最たるものに、年金制度の崩壊がある。それは、若年層にとっては、負担金が一層増加しそれが将来戻ってこないのではないかという不安であり、年金受給者にとっては、今後受給額が減額されるのではないかという不安である。これらの不安は、多分に誤解によるところもあるが、負担と給付のバランスが崩れていることや、年金制度所管庁の不祥事によって増幅している。
 しかし、年金制度は、基礎年金の相当部分が国庫負担とされ、厚生年金等では個人負担額と同額の雇用主負担が存在しているわけであるから、いわゆる掛け損などはあり得ないはずである。問題は、国が示すべき将来の青写真が明確でないが故に、不安が嵩じることである。
 そうであれば、政府は、将来の人口動向を正確に把握し、国民の納得できる負担と給付の構想を明確に示すべきである。そこには、議員年金制度にみられるような我田引水的な手法は許されないはずである。

 2.医療・介護制度
 高齢化社会においては、医療・介護費用の増加は必至である。だからと言って、それを放置して置くことは、国民の負担の限界からみて許されないことである。これらの分野においては、効率的な運営と高齢者を含めた応分の負担により、全体のコスト削減を求めることが急務である。もっとも、これらの分野に効率性を求めることは、いたずらに不必要なサービスを強要するような商業主義を認めることではない。また、費用負担については、企業に安易な負担増を求めるべきではなく、サービス提供の実態を見直し、総費用の抑制に努めるべきである。

第四 国と地方のあり方
国民が国および地方自治体に求めていることは、かけ声だけの地方分権ではなく、「小さな政府」をめざした真の行政改革であり、行政の効率化による大幅な歳出削減である。そのためには、まず、国と地方自治体の役割分担を明確にし、行政機関の重複を是正すべきである。

第五 めりはりのある税制改革
 1.税制改革の全体像
 わが国の財源不足については、まず、経済条件を十分に認識した上で、徹底した実のある行財政改革を断行し、かつ、急務となっている社会保障制度を改革すべきである。国および地方自治体は、このような行財政改革等を実施した後の財源不足を明確にした上で、それを補完するための税制改革の全体像を明示すべきである。
 このような税制改革においては、増税を必要とする税目、必要としない税目等が明らかにされるであろうが、それらの税目においても、税負担を強化する事項と軽減すべき事項が存するはずである。それらの実態を的確に分析、検討し、めりはりのある税制改革を行うべきである。

 2.中小企業の税制改革
 中小企業は、地域経済の担い手として、日本経済再生の鍵を握っていると言っても過言ではない。そうであれば、めりはりのある税制改革は、中小企業の活性化に資する税制により多く照準を当てるべきである。
 中小企業の活性化には、努力した者が報われる税制こそ必要であり、そのためには、同族会社に対する留保金課税の廃止(又は停止)、事業承継税制の確立、中小法人の税率引き下げ等を強く求める。

第六 租税教育の普及
 徹底した行財政改革の実行も、信頼できる社会保障制度の確立も、そしてめりはりのある税制改革の実現も、国・地方自治体という共同体を維持・発展させようとする国民の理解が不可欠である。そのような理解は、それら共同体を支えている「税」に対する理解によって醸成される。
 しかしながら、わが国においては、このような税についての国民の理解は必ずしも十分とはいえない。そのため、社会全体において税についての理解を高めるための各種施策が必要とされているところであるが、取り分け、次代を担う若い世代に対する施策が肝要である。



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各 論 当面の改正事項

第一 法人税制について
 1.法人税基本税率の引下げ
 わが国の法人税の実効税率は、アメリカ並みに引き下げられたとはいえ、EU諸国やアジア諸国の税率に比し未だ高い。また、長期低迷してきたわが国経済を再生するためには、企業に一層の活力を与えることが重要である。 このため、法人税の基本税率については、租税特別措置の整理・合理化等により課税ベースの拡大を考慮しつつ、地方税の負担軽減と併せて、一層の引下げを図る必要がある。

 2.中小企業軽減税率の引下げ
 中小企業に適用される軽減税率は、その適用課税所得が昭和56年以降800万円に据え置かれており、かつ、基本税率との格差も縮小してきている。他方、中小企業の方が大企業よりも一層厳しい経営環境にあることやその担税力に配慮した場合には、軽減税率を22%から20%程度へ引き下げ、適用課税所得を800万円から1500万円程度へ引き上げる必要がある。

 3.同族会社の留保金課税の廃止
 同族会社に対する留保金課税は、近年、所得税率と法人税率との格差が著しく縮小し、将来的にも、その縮小傾向が変換する見通しがないため、その制度の意義が失われている。他方、留保金課税は、中小企業の金融条件が悪化する中、懸命に内部留保により資金調達を図ろうとする中小企業にペナルティを与えるに等しく、自己資本比率の高い大企業に比し、「公平」を欠いている。
 すなわち、留保金課税は、その存在論拠を失っているばかりでなく、正に、努力した者が報われない代表的税制となっている。よって、中小企業に対する留保金課税は、この際廃止(又は停止)することを強く求める。
 なお、ただちに廃止ができないのであれば、現行の資本金1億円以下の中小企業に対する留保金課税の適用停止措置について、自己資本比率を80%程度に引き上げるなどの拡充措置を講じて延長すべきである。

 4.交際費課税の抜本的見直し
 交際費課税は、その創設当時(昭和29年)の資本蓄積を図るという政策目標は消失している。現在では、むしろ、企業の消費を促し景気に資する方が重要であり、かつ、そもそも交際費が経費であることを考慮すれば、交際費課税は、抜本的見直しを行う必要がある。この制度が直ちに廃止できない場合には、資本規模に関係なく一定の損金算入を認め、現在の損金算入限度額も大幅に引き上げるべきである。

 5.役員報酬・賞与課税の見直し
 商法が採用した業績連動型報酬制度については、それを実施すると税法上役員賞与課税を受ける恐れがあるため、各企業ともそれを採用できない状況にある。また、定時・定額でない役員報酬については、役員賞与として課税されるため、従業員に対して採用している成果主義による支給方法も、役員に対しては採用できない状況にある。さらに、報酬の損金算入限度額についても、その役員の経営への貢献よりも類似法人の支給額との比較が優先される。これでは、経営者の経営意欲に水をさすことになり、企業活力にも悪い影響を与えることになる。わが国経済の再生のためには、このような税制による悪影響を排除することも重要である。そのため、現行の役員報酬・賞与課税制度を抜本的に見直し、少なくとも、商法上の業績連動型報酬制度を税法上も認めるべきである。

 6.減価償却制度の見直し
 建物、機械装置等の減価償却制度は、技術革新が加速し、産業廃棄物の処理コストが増大する中で、その抜本的見直しが必要となっている。すなわち、機械装置等の機能的減価を考慮し、欧米の償却制度などを参考にして、必要に応じて耐用年数の短縮を行い、余りに複雑な資産区分を簡素化し、残存価額及び償却可能限度額を大幅に引き下げる必要がある。

 7.その他
(1)配当課税の二重課税の是正
 現行の配当課税は、支払段階の法人税と受取段階の所得税(法人税)とが二重課税となっており、若干の調整が行われているものの、十分ではなく、企業の資金調達等に支障を来たしている。そこで、EU各国の制度などを参考にして、配当課税の二重課税を一層調整すべきである。

(2)欠損金の繰戻還付制度の復活
 欠損金の繰戻還付制度は、現在租税特別措置法によって停止されているが、中小企業に影響が大きいので、速やかに復活すべきである。

(3)租税特別措置
 租税特別措置については、時限的な措置でありながら長期にわたって存続しているものがあるので、その政策目的の検証を行い、必要性の乏しいものは直ちに廃止すべきである。ただし、中小企業の技術革新など活性化に寄与する措置は、その制度の延長を含め積極的に活用する必要がある。

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 第二 個人所得税制について
 1.所得税と住民税のあり方
 所得税および住民税は、国と地方自治体の基幹税であり、広く公平に負担することが強く要請されており、三位一体改革の下、地方自治体の自主財源の拡充等の見地から所得税から住民税への移譲が政策課題となっている。このような視点からみて、まず、定率減税を改め、所得税の累進税率の構造を是正(制度減税)し、税負担の歪みを正すべきである。そして、応益負担を強めるために、住民税の均等割をさらに引き上げるべきである。

 2.各種控除制度の整理・合理化
 所得税および住民税の諸控除については、少子・高齢化の進展、雇用制度の変化、ライフスタイルの多様化等を考慮して、抜本的な見直しを行う必要がある。この場合、諸控除を単に整理すればよいわけではなく、それぞれの実情に応じてめりはりを付けて見直すべきである。まず、給与所得控除については、その制度の趣旨(必要経費の概算、所得の捕捉格差、租税特別措置の有無等)等に照らして、特定支出控除の拡大とも合わせて見直すことが必要である。控除の効果が薄いと思われる生命保険料控除、損害保険料控除、勤労学生控除等は廃止すべきである。なお、扶養控除等の人的控除については、少子化対策、課税単位のあり方との関係を考慮した上で合理化を図るべきである。

 3.少子化対策
 人口の絶対的減少を控え、少子化対策は、国が取り組むべき重要な政策である。少子化対策は、家族のあり方や各個人の人生観にも関連しているが、当面、保育所の拡充、勤務体制の見直しによる育児支援などを含む総合的な施策を講じることが肝要であるが、税制上の支援措置も講じるべきである。具体的には、児童等に対する税額控除制度の創設、課税単位のN分N乗方式等への変更等を検討すべきである。

 4.金融所得一体課税
 税制調査会は、金融所得の一体課税を検討したが、未だその方向が定まっていない。しかし、所得税における10種類の所得区分は、現在の経済取引に適合しているものとは認められず、特に、金融所得を細区分することは弊害が多い。したがって、税制を簡素化するためにも、金融所得の一体課税(損益通算の容認)を行うべきである。

 5.納税者番号制度
 納税者番号制度については、制度の創設・維持にかかるコスト、制度の方法と所得捕捉の効果、プライバシーの侵害防止のための法整備等を十分検討した上で、真に課税の公平化に資するような制度導入を検討すべきである。

 6.公示制度
 申告所得税額の公示制度については、その趣旨があいまいとなっているばかりではなく、プライバシー侵害が問題となっており、かつ、犯罪目的に悪用されるケースも生じてきているので、その廃止を強く求める。

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 第三 事業承継税制について
 1.相続時精算課税制度の拡充
 相続時精算課税制度は、事業承継対策としても有効であるが、円滑な事業承継を行うためには早期の意思決定も必要となるので、現行の贈与者65歳以上という年齢制限を60歳程度に引き下げるべきである。また、同制度における住宅取得等資金の贈与の特例も、制度の活用件数も多く若年層への資産移転の促進に有効であるから、同制度の存続延長を求める。

 2.取引相場のない株式等の課税軽減
 取引相場のない株式の課税価格の減額措置については、創設後若干の拡充が図られているが、欧米で採用されている事業用資産の非課税(軽減)措置とは相当に見劣りがするので、欧米にならって、減額率を50%に引き上げるなどの措置を講じるなど一層の拡充を図るべきである。また、この減額措置は、原則として、小規模宅地の課税価格の特例と選択適用となっているが、それぞれ制度の趣旨が異なるものであるから、両者を完全に切り離してそれぞれの適用を認めるべきである。

 3.物納・延納要件の緩和等
 取引相場のない株式の物納については、その要件が厳しく、事実上物納できない現状にあるので、その許可要件の緩和を求める。また、延納については、利子税率を一層引き下げるとともに、現行制度とは別に、延納と物納の中間的措置、例えば、一旦物納した事業用資産(株式等)を10年間いつでも買戻すことができる制度(無利子)を設けるべきである。

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 第四 消費税について
 1.消費税率引上げの条件
 消費税が消費一般に広く公平に負担を求めるものであるから、危機的な財政状況、少子・高齢化による財政需要の増大などに対処するため、近い将来、消費税率を引上げざるを得ないものと認識する。ただし、その引上げの前に、総論で述べたように、行財政改革の徹底、歳出の有効な削減などを実行すべきであり、景気情勢などにも十分配慮すべきである。なお、消費税を福祉目的税とすることについては、財政の硬直化を招くので、できる限り避けるべきである。もちろん、消費税率の引上げに当たっては、増大する社会保障費にも充てられることを明確にし、国民の理解を得る必要がある。

 2.消費税率の引上げ方法
 消費税率の引上げについては、一挙に大幅に引き上げることは、国民の意識や景気対策を考えると許されないので、段階的に引き上げて行くべきである。また、食料品等への軽減税率の適用、それに伴うインボイスの導入などは、納税の簡便化等に配慮して、慎重に対応すべきである。

 3.仕入税額控除の適正化
 仕入税額控除に係るいわゆる益税問題については、中小企業が対象となる免税点および簡易課税制度について大幅な是正措置がとられた。しかし、主として、大企業がその恩恵を受けることとなる課税売上割合が95%以上の場合の仕入税額全額控除については、記帳制度が確立されている大企業(例えば、資本金1億円超)に対し、その適用を禁止する措置を設けるべきである。

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 第五 地方税制について
 1.固定資産税
 固定資産税については、商業地の実効税率が平成2年度の0.18%から平成13年度には0.6%へと急上昇し、現在の負担調整が完了すると0.98%へと上昇することが見込まれる。これでは、都市部を中心に負担増が深刻になるので、都市計画税を含めて抜本的な見直しを求める。まず、小規模な事業用宅地については、居住用宅地に準ずる軽減措置を設ける必要がある。
 また、評価については、宅地と事業用家屋については、その資産の収益力に着目した収益還元価格を重視して評価すべきであり、居住用家屋については、再建築価格方式ではなく、家屋の経過年数に応じた簡便な評価方法に改め、処分価値がなくなれば課税をやめるべきである。さらに、土地の評価体制については、国土交通省、総務省および国税庁がそれぞれの目的に応じた評価を行っているが、評価体制を一元化し、行政の効率とコスト削減に努めるべきである。

 2.事業所税
 事業に係る事業所税は、固定資産税等との二重課税的な性格を有すること、国策として推進している市町村合併の結果思わぬ課税対象となるケースも増加しているので、引き続き廃止することを求める。

 3.超過課税・法定外目的税
 市町村民税の超過課税は、主として、法人を対象としており、課税目的も必ずしも明らかではなく、課税の公平を害する場合も多いので、行政の簡素化の見地からもそのような安易な課税は行うべきではない。
また、法定外目的税は、環境対策の観点から導入されている例も多いが、独自課税の実施に当たっては、課税の公平性・中立性に反することのないよう配慮するとともに、法人企業に対して安易な課税を行うべきでない。

 4.申告納税の合理化
 徴税事務の合理化による行財政改革の推進、納税者の利便等を図るため、国税と課税対象を同じくする法人事業税、法人・個人の道府県民税と市町村民税の申告納税手続については、地方消費税の執行と同様に、国との一体処理を行い一層の合理化を図るよう求める。

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 第六 環境税制について
 環境問題は、21世紀の人類共通の課題である。そのため、各国政府、国際機関、NGO等は、環境保全、環境破壊防止等の各対策を検討実施しており、わが国でも、環境対策のために多くの議論が行われている。しかし、環境税については、課税対象、税収の規模と使途、既存のエネルギー関係税との関連等検討すべき点も多いので、政府は、問題点を早急に整理して、国民合意の形成に努めるべきである。


【付記=個別事項】
 別に取りまとめた個別事項についても、速やかに所要の改正を行うよう特に付記する。

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<大会スローガン>  


歳出削減目標を明確にし
        聖域なき行財政改革の断行を!

厳しい経営環境を打破するためにも
          中小企業に配慮した税制を!

法人税率を引き下げ留保金課税を廃止し
               中小企業に活力を!

所得税の抜本的な見直しを行い
          広く薄く国民全体で負担を!

中小企業の重要性を認識し
            事業承継税制の確立を!

消費税率を引き上げる前に
     行財政改革の徹底と歳出の見直しを!

行財政改革を徹底し
       地方も行政の合理化・効率化を!

少子・高齢社会を踏まえ
  国民が安心できる社会保障制度の確立を!
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