沼津法人会（静岡）は、静岡県立静岡がんセンター（静岡県駿東郡長泉町）に協力し、治療をしながら、就職を希望するがん患者をサポートする「がん患者への就労支援システム」に取り組んでいる。社会復帰を果たした患者も出て、地元紙のほか、週刊東洋経済などの経済誌や週刊女性などの女性週刊誌などでも大きく紹介されている。

厚生労働省などの調べによると、がんにかかったサラリーマンの35％が、依願退職や解雇となっているほか、自営業者の21％が休業・廃業に追い込まれるなど、経済的困難を抱えるがん患者の社会復帰は、大きな社会問題ともなっている。

今回の支援システムは、再就職の相談を受けたがんセンターの「よろず相談」コーナーが、沼津法人会に情報を伝達。同会で希望者と面談のうえ、同会のネットワークを通じて5200社の会員企業を対象に求人活動を行う。

昨年秋に始めた事業で、今年春には採用第1号が出るなど成果も上がっている。

同法人会では、静岡がんセンターと組んで経営者のがん予防治療の啓発活動に取り組む「ファルマ倶楽部」を展開中で、就業支援のほかに、医療事業への進出サポート、法人会建物の２階にファルマコーナーを設け、がん治療の書籍やDVDを展示するなど、会員向けにがん対策の情報サービスも行っている。
（2012）